それは、今から数年前のある日のこと。
当時、私は都内のマンションで一人暮らしをしていました。
その日は、ちょっと横になっていたら、そのまま眠ってしまい、目が覚めて、ふと時計に目をやると、既に夜中の3時頃でした。
翌日も会社があるので、また直ぐに寝ようとしたのですが、目が冴えてしまって、なかなか眠れません。
仕方がないので、流し台に置きっ放しにしていた食器を洗ったり、ちょっとした雑事を30分ぐらいして、また寝ようとしたその時・・・
「ピンポーン」と、突然インターホンが鳴るではないですか！
時刻は夜中の3時半頃で、外はまだ真っ暗闇。
インターホンが鳴ったのは、ただ一回だけ。
ドアスコープ（外の様子を見る為の覗き穴）から覗いてみる限りでは、誰かがいるようには見えません。
その後は、もとの静寂が・・・
何かの緊急事態でマンションの他の住人がインターホンを押したとか、酔っぱらいが階段を上ってきて押したとかであれば、何度か連続して押すでしょう。
私は幽霊などの非科学的なものは信じていませんので、そういったものへの恐怖はありませんでしたが、その時、頭の中を一瞬よぎったのは、「犯罪」の二文字。
・・・なんて書くと大袈裟に思われるかもしれませんが、一応、成人男性とはいえ、一人暮らしですから、もしドアを開けた途端に、いきなり暴漢にでも襲われたらと考えたら・・・怖っ！
次に頭に浮かんだのは、いたずらですが、流石にこの時間にそれは無いだろうと。
それとも認知症で近所を徘徊しているご老人でもいるのかな？とか、他の可能性も色々と考えてみました。
すごく気になっていたのですが、無視を決め込み、寝ることにしました。
・・・が、しかし、その30分後ぐらいに再び1回だけインターホンが鳴りましたぁぁぁぁぁぁぁぁ（恐怖）
寝室の窓から玄関先が少し見えるので、窓のブラインド越しに恐る恐る玄関先を除いてみましたが、誰かがいる気配は全くありませんでした。
もし、いたずらだとしたら、走って逃げ去るだろうけど、階段を下りる音も全く聞こえません。普通の上り下りでも音が響く階段なので、絶対に音がするはず。
「もしかして、誰かドアの端にすっと隠れているのかも？」などと考えてしまい、気になって気になって仕方ありません。
もう一度寝ようとしていると、更に30分後ぐらいに、またまたインターホンが鳴ったのです・・・（ひぇ〜、もう何なんだよぉぉぉぉ〜！）
この時点で時刻は朝方の4時半頃になっていました。
気になって仕方がありませんが、寝ておかないと翌日の仕事に差し支えるので、結局、そのまま寝ました。
そして、朝、寝不足の状態で起きて、会社に行く準備をしていると、7時頃に再度インターホンが鳴りました。
もう外は既に明るいので、思い切ってドアを開けました！
すると・・・誰もいない・・・
気にはなりましたが、会社に行かなければならないので、部屋を出ました。
ただ、この時点で、誰かがインターホンを押したという可能性は無くなったので、ひと安心しました。
朝の通勤電車の中で、夜中のインターホンのことを、あれやこれやと考えていましたが、結局、何が原因だったのか分からないまま会社に到着。
そして、自分のデスクに座り、パソコンを起動している最中にある考えが頭に浮かびました。
「そうだ、グーグル先生に訊いてみよう！」
・・・ということで、PC起動後すぐに「インターホン 夜中 鳴る」というキーワードでググってみたところ、色々な情報がヒットしました。
世の中、同じような体験をしている人が結構いるようですね。
色々とネットで調べてみたところ、最も可能性が高そうだったのが、インターホンの誤作動だったので、更にグーグルで「インターホン 誤作動 誤動作」というキーワードで検索してみました。
その結果、インターホンの誤作動には、「配線やスイッチの故障」、「雨による湿度の影響」、「小さな虫がインターホンの内部に入ってスイッチに影響を与える」、「何かの音や電波に反応して鳴る」など、様々な原因で誤作動する可能性があるということが分かりました。
私の住んでいたマンションのインターホンは昔からあるボタンのみのシンプルなタイプのものでした。
その日の帰宅後、よくよく確認してみると、インターホンの側面がほんの数ミリだけ、壁から剥がれていました。
「あぁ、これは小さな虫なら侵入できるわ」と、自分の中で勝手に虫のせいにすることにしました。
その後、突然インターホンが勝手に鳴るという怪奇現象は起こらなくなったので、やはり虫のせいだったのだと思います・・・というか、そういうことにしておきます。
これにて一件落着。
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