「ご利用のインターネットの月額利用料が今より安くなりますよ」とか、「お住まいの地域の高速回線工事が終わり、より速いインターネット回線が今よりお安くご利用いただけます」といった、光回線サービスの勧誘電話がかかってきたことはありませんか?
これらの勧誘電話、要注意です。
【悪質な勧誘電話】
光回線サービスの勧誘電話の中には、一部かなり悪質なものもあり、故意に勧誘電話ではないと思わせるように、現在利用中のプロバイダーやNTTを装って、「(手続きをしないとインターネットが使えなくなる等)新サービスへの切り替えの連絡」、「料金が安くなる新プランへの変更のおすすめ」、「機器の交換」などと偽って、現在利用中のインターネット回線サービスから他社のインターネット回線サービスに乗り換えさせようとする代理店が存在します。
また、電話での勧誘以外にも、代理店の営業マンが個別訪問している地域もあります。
勿論、インターネット回線サービス代理店の全てが悪質な勧誘や強引な勧誘をしているわけではありません。
しかし、今や高速インターネット回線は、日本中に普及していて、新規でインターネット回線を申し込むのは、大抵の場合、引越しなどの為、新規でインターネット回線を引く必要がある人や、利用中のインターネット回線が遅いので他の高速インターネット回線サービスに乗り換えることを検討している人などに限られます。
つまり、既に飽和状態で激しい競争下にある携帯電話・スマートフォン市場でのキャリア乗り換えやMVNO(仮想移動体通信事業者)への乗り換えと同様、インターネット回線サービス市場も、限られたパイの奪い合いになってしまっているので、非常に競争が激しい中で契約を取らなければならない状況にあり、その為、光回線サービスの代理店の中には、悪質な勧誘をしているところがあるというのが実情でしょう。
代理店の営業マンには、会社から厳しいノルマが課せられていることは想像に難くなく、契約獲得に必死になるのは理解できますが、あまりに酷い勧誘電話も少なくありません。
もっとも、悪質な勧誘電話や戸別訪問は、営業マン個人がやっているというより、会社(代理店)ぐるみで(マニュアルを作って)やっているケースが多いように見受けられます。
【勧誘電話の実例】
私自身、何度も光回線サービスの勧誘電話を受けたことがあります。
以下は、その一例です。
或る日、社名も自分の名前も名乗らず、開口一番「現在ご利用のインターネットの月額利用料金がお安くなりますので、そのご案内でお電話しました」といった出だしで始まる勧誘電話がかかってきました。
これは「光コラボレーション」(略称:光コラボ)の勧誘電話でした。
(「光コラボ」とは、「フレッツ光」(=回線業者(NTT東日本・NTT西日本)と インターネットサービスプロバイダー(例:ニフティ、So-net など)の2社と契約する光回線サービス)と異なり、光コラボレーション事業者がNTT東日本・西日本のフレッツ光などの光回線の提供を受けて、自社サービスと光アクセスサービス等を組み合わせてサービスを提供する光回線サービスです。)
この勧誘電話は、とある光コラボ(光コラボレーション)の販売代理店からの電話だったのですが、私が「フレッツ光」の利用者であることを前提に電話をかけてきました。
確かに「フレッツ光」から「光コラボレーション」に乗り換えた場合、月額基本料金は安くなることが多いです。
当時、私は「フレッツ光」ではなく、既に So-net が提供している光コラボサービス「So-net 光 コラボレーション」を利用中であり、且つ、その回線品質に満足していたので、他の光コラボレーション事業者のサービスに変えるメリットは全くありませんでした。
【So-net 光 コラボ】つまり、その代理店は、(当然、私がどのようなインターネット回線サービスを利用しているかなどは知らず)、恐らく電話帳か、名簿業者から買った販売顧客名簿を見ながら、手当たり次第に電話をかけていたのでしょう。
また、この勧誘電話をかけてきた営業の人は、十分な商品知識が無いようで、「プロバイダを乗り換えても、電話もメールアドレスも今までと同じものが使える」と言い切っていましたが、それはあり得ません。
厳密に言えば、固定電話は条件によって、使用中の電話番号をそのまま引き継げる場合と引き継げない場合があります。
しかし、メールアドレスについては、光コラボレーション事業者を乗り換えたら、それまで利用していた光コラボレーション事業者が提供しているメールアドレスは利用できなくなります。
もっとも、私の場合、光コラボレーション事業者から付与されたメールアドレスは普段利用しておらず、もっぱら Hotmail や Gmail などの Webメールを利用しているので、問題はありませんが。
全く呆れた話ですが、その営業の人は、自分が販売しているサービスのことを完全に理解していないまま案内していました。(仮に理解していたとすれば、契約を取るために虚偽説明をしていたことになります。)
【勧誘電話への対処法】
光コラボの勧誘電話への対処法:「既に光コラボを利用中です」と伝える。
全てのインターネット回線サービスの勧誘電話に使える対処法:「もうすぐ引っ越しますので案内は不要です」と伝える。
私自身、上記の対処法で勧誘電話を毎回瞬殺していました。
そもそも、現在利用中のインターネットサービスプロバイダーやNTTが、直接電話をかけてくることは、ほぼありません。
本当にプロバイダーやNTTから「サービス終了に伴う新サービスへの移行」や「新プラン・新サービスの案内」などの連絡がある場合は、資料やハガキが郵送されてくることがほとんどです。
実際、「このような(勧誘)電話があったのだけれど・・・」と契約中のプロバイダーやNTTに問い合わせたら、「そのような電話は、こちらからは一切行っておりません」という回答が返ってくるはずです。
結論:インターネット回線サービスの勧誘電話は、さっさと断るに限る。
【光回線サービスの乗り換えを検討中の場合】
もし偶然にも、勧誘の電話や戸別訪問があった時に、ちょうど「フレッツ光」から、より利用料金の安いサービスを探していたとか、利用中のインターネット回線が遅いとか、接続 / システム障害が頻繁に起こるなどの理由から、他の光回線サービスへの乗り換えを検討中だったとしても、営業マンの言われるままに契約するのは、全く得策ではありません。
例えば、勧誘電話をかけてきた営業マンが、「今のインターネットサービスの解約に伴う違約金は全てこちらで負担します」とか言ってくるかもしれません。
しかし、自分でインターネットサービスプロバイダーの公式ホームページや、光回線サービスの代理店をネットで検索して探せば、「乗り換え時の違約金の負担」、「キャッシュバック」、「長期割引料金」など、より良い条件を提示しているところを容易に見つけることができるでしょう。
因みに、「キャッシュバック」については、私自身、過去に引越しのタイミングで別のインターネットサービスプロバイダーに乗り換えて、新規契約した際に、キャッシュバックを受け取ったこともあります。
しかし、新規契約してから数ヶ月経過しないとキャッシュバックが貰えないとか、申請期間中に手続きを忘れたら貰えないとか、申請手続きが複雑とか、キャッシュバックを受け取る為には、色々と気をつけなければならない場合があるので注意が必要です。
また、例えば、「基本サービス以外のオプションサービスの申し込み」が、キャッシュバックの条件だった場合、長期的に見ると、結局、キャッシュバックが、オプションサービス料金で相殺されてしまうことだってあります。
そのオプションサービスが自分が利用したいと思うものであればよいのですが、自分にとって必要としないものであれば、キャッシュバックを貰うために、それらのオプションサービスを申し込むというのは本末転倒です。
それから、他と比較して、やたらと高額なキャッシュバックを謳っている広告を出している代理店は要注意です。
そういった異常に高額なキャッシュバックは、「キャッシュバックの受取条件がやたら厳しく、実際にはキャッシュバックを受け取ることが非常に難しい」とか「いくつもオプションサービスを付けなければならず、結局、月額利用料が高くなり、実は全然お得ではない」といったカラクリがある可能性が高いからです。
また、契約特典として「キャッシュバック」と「長期間の月額利用料割引」のどちらか一方を選択出来る場合などは、よくよく計算すると「長期間の月額利用料割引」の方が得だったりすることもあり得ます。
勿論、「キャッシュバック」と「利用料金割引」の両方の特典が受けられるのであれば、それに越したことはないですが。
何れにせよ、光回線サービスの乗り換えを検討中の場合でも、勧誘電話や戸別訪問の営業は断って、自分で複数のインターネットサービスプロバイダーの公式サイトや代理店のサイトの比較した上で、選定することをおすすめします。
以上、インターネット回線サービスの勧誘電話や個別訪問には、くれぐれも気をつけましょう、というお話でした。
NURO 光